二本松の西、原宿へ行く道を右に折れると、畑の中に小さな塚があります。
今は様子も変わっていると思いますが、これが「めいめい塚」と呼ばれている塚です。
この塚の由来は、いろいろな伝承があります。まずこれは、「めいめい井戸」を掘った時の、土を盛り上げたものだろうという説です。「めいめい井戸」という変な名前は、むかし、井戸を直線的に深く掘る技術がなかった時代に作られた井戸のことです。まず井戸の周りを広く大きく掘って、その穴のうち壁に足場をつけ、ぐるぐる回りながら地下水の出るところまで降りていって水を汲み、また登って来る形だったのです。穴の中がちょうどカタツムリの殻のようだったので、土地の呼び名で「めいめいつぶり」(まいまいつぶり)から「めいめい井戸」と言ったのです。そして、そのときの盛り上げた土を「めいめい塚」と呼ぶようになったのです。しかし現在では、井戸の痕跡は全くありません。
次には、ただ簡単に「めいめい死者を葬った塚」だから、「めいめい塚」という説もあるようですが、これも別段墓石の跡など見られぬようです。 今となっては、その形や言い伝えから推し量るしかありませんが、古の遺産などを調べることで、先人の知恵や風習などに思いをはせるのも楽しいことですね。
座間美都治
相模原民話伝説集より